コルクについて

コルクとは?

コルクとは、コルク樫から剥いだ樹皮からできております。

ポルトガルのコルクとは?

ポルトガルのコルクが世界の生産量の約50%を占めています。
地中海性気候がコルク樫の栽培に適しております。 また、コルクを守る法律が大変厳しく、コルク樫の栽培方法や土の栄養管理が国を挙げて徹底されています。
この法律があってこそ、弾力性があり、香りも高い良質なコルクができております。

コルク樫の生涯

樹齢20年で成木となります。9年周期でコルクの樹皮を剥がします。初めて収穫するコルクはバージンコルク、2回目の収穫がセカンドコルクとなります。3回目以降に収穫されたアマディアコルクと呼ばれます。1本のコルク樫から、約200年に渡り樹皮を採取することができます。

サスティナブルなコルク

コルク樫を伐採せずに樹皮を剥いでいるので、森林を保護することに繋がります。
また、樹皮を採取したコルク樫は光合成を行い、樹皮を厚くしようとします。
その間、木の数倍の二酸化炭素を吸収しており、地球温暖化の抑制に繋がっております。

コルク製品がSDGsに寄与する理由

コルク製品が持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、SDGs)に寄与する理由はいくつかあります。

以下に、主要な理由をいくつかご紹介します。

  1. 持続可能な森林管理: コルクは樫の木の樹皮から採取されます。樫の木は定期的に収穫でき、木を伐採しないため、森林を保護し、持続可能な森林管理を促進します。これはSDGsのうち、SDG 15である「陸の生態系の保護、回復、持続可能な利用」に関連しています。
  2. 農村コミュニティの支援: コルクの収穫と製造は多くの農村コミュニティに雇用と所得を提供します。これにより、SDG 1(貧困の撲滅)やSDG 8(働きがいのある仕事と経済成長の促進)を支援し、地域経済の持続可能な発展に貢献します。
  3. 環境への配慮: コルクの生産は比較的低環境負荷で行われます。化学的な処理や大規模なエネルギー消費が必要ないため、SDG 12(持続可能な生産と消費の確保)に寄与します。また、コルクの生産において、排出される温室効果ガスも比較的少ないため、気候変動に関連するSDG 13(気候行動)にも貢献します。
  4. 再生可能資源の利用: コルクは再生可能な資源であるため、SDG 7(クリーンで安価なエネルギーの提供)に関連しています。コルクの利用は、他の非再生可能な素材に比べてエネルギー効率が高く、持続可能なエネルギー利用を奨励します。
  5. プラスチックの代替: コルクはバイオデグレード性が高く、プラスチック代替品として利用できます。これにより、海洋プラスチック汚染の削減に寄与し、SDG 14(海洋の保護)に貢献します。

コルク製品の生産と利用は持続可能性の観点から多くの利点を持っており、SDGsのさまざまな目標に寄与します。そのため、コルク産業は環境、社会、経済の側面で持続可能な開発を促進する重要な要素となっています。

コルク樫の樹皮

1・2回目に収穫されたコルク樫の樹皮は硬くて、デコボコしている為、細かく砕き、壁材や床材などに利用されております。3度目以降に収穫されるコルクでようやくワインの栓を打ち抜くことができます。ワインの栓を打ち抜いた後の樹皮は細かく砕き、コルクの雑貨や製品に活用されております。

コルクの6つの特徴

弾力性・衝撃吸収力

弾力がある為、衝撃吸収力があります。

防音性・防震性

音や振動を和らげる効果があります。

撥水性

水に強く、腐りにくい素材です。

断熱性

空気を含んでいる為、断熱材として活用できます。

軽量性

コルクは空気を含んだ細胞でできている為、とても軽い素材です。

防滑性

コルクの表面には小さなへこみがあり、そのへこみにより、摩擦効果がある、滑りにくい素材です。

コルクの活用例

コルクは多くの用途に活用できる多目的な素材です。以下は、コルクのさまざまな活用例です。

  1. ワインストッパー: コルクは、ワインボトルのストッパーとして広く使用されています。その柔軟性と密閉性能により、ワインやシャンパンの風味を保護し、酸化を防ぎます。
  2. フロアタイル: コルクのフロアタイルは、断熱性とクッション性があり、足踏み音を吸収するため、静音なフロアに適しています。また、コルクは自然素材であり、環境にもやさしい選択肢です。
  3. 壁パネル: コルクの壁パネルは、断熱材としてだけでなく、美しい内装材としても使用できます。部屋を温かみのある場所に変え、音を吸収して静かな環境を作り出すのに役立ちます。
  4. フォトフレーム: コルクは軽くて簡単に切り抜けることができるため、自作のフォトフレームや掲示板を作るのに適しています。写真やメモをピンで留めることができます。
  5. クラフトプロジェクト: コルクは手芸やクラフトプロジェクトに使用できます。ワインコルクをリサイクルしてコースターやキーホルダーを作成することができます。
  6. フロート材: コルクは浮力があり、浮き袋や浮き具として使用されます。例えば、漁師が網を浮かせるためにコルクを使用することがあります。
  7. ソフトウェア開発: コルクの名前は、ソフトウェア開発においても使用されます。プロジェクトの進捗状況を表すための視覚的なボードにアイデアをピンで留めるのに使われます。
  8. キャビネットの挟み込み材: キャビネットや引き出しのドアを静かに閉めるために、コルクは挟み込み材として使用されることがあります。
  9. クッション材: コルクはクッション材として使用され、靴の中敷きや座布団などの製品に組み込まれます。
  10. ワイントースター: コルクはリサイクルやアートプロジェクトの一環として、ワイントースターのデザインに使用されることがあります。

これらはコルクの活用例の一部ですが、実際にはさまざまな分野でさまざまな方法で使用されています。コルクはその持ち味から、環境に優しく、多用途で実用的な素材として人気があります。

コルクの歴史

  1. 古代エジプト時代: エジプト人はコルクを浮力体として利用し、船や浮標を作るために使用していました。コルクを瓶の蓋や浮き根の材料としても利用していました。
  2. 古代ギリシャ・ローマ時代: 古代ギリシャやローマ時代においても、コルクはさまざまな用途に利用されていました。特に古代ギリシャでは、コルクは浮標や床材として使用されていました。古代ローマでは、ワインの保存容器の蓋や浮き根としてコルクが使われていました。
  3. 中世: 中世ヨーロッパでは、ワインの保存においてコルクが一般的に使われるようになりました。コルクの柔らかさと圧縮性が非常に有益であることが理解され、ワインの瓶詰めに利用されました。
  4. 19世紀: 19世紀になると、コルクの生産が工業的になりました。特にワイン産業の発展とともに、コルクの需要が増加しました。コルク栓がワイン瓶の標準的な封止材として確立され、広く使用されるようになりました。
  5. 20世紀: コルクは様々な産業で利用されるようになり、例えば建築材料や工芸品、断熱材料としても使用されました。しかし、一方でプラスチックや金属などの新しい素材も台頭し、コルクの使用は一部で減少しました。
  6. 現代: 現代においても、コルクはワイン栓や工芸品、床材料などで広く使用されています。また、コルクの持つ環境への配慮や天然素材としての価値が再評価され、一部の製品では再び注目されています。

コルクはその特性から様々な分野で利用されており、その歴史は長いものです。

日本とポルトガルの距離

日本から直行便がないので、飛行機の乗り継ぎが必要となります。パリ、アムステルダム、ドバイ、フランクフルト、ヘルシンキなどで乗り継ぎが多いです。